●足関節捻挫
足関節捻挫は、大きく分けて内反捻挫と外反捻挫の2種類に分かれます。
おおよその捻挫が内反捻挫で、足関節の外側を痛めます。
外反捻挫は、足関節の内側を痛める事が多く、重症化しやすい捻挫になります。
【内反捻挫】
内反捻挫で痛めやすいのは、前距腓靭帯と踵腓靭帯と後距腓骨靭帯です。
他にも、前脛腓靭帯や二分靭帯を痛めることもしばしば・・・
また、一緒に腓骨筋や前脛骨筋を痛めることもあり、靭帯以外の確認も行う必要があります。
【外反捻挫】
外反捻挫を起こすと、足関節の内側にある三角靭帯を痛めるのですが、この靭帯が強靭な為靭帯損傷よりも、内踝の骨膜損傷や裂離骨折になることもあります。
外反捻挫をした場合は、しっかりと骨の状態の確認を行います。
【成長期の捻挫】
成長期の捻挫で怖いのが、骨端線損傷です。
骨端線とは、成長軟骨の部分を言います。
ある程度の年齢になると、この部分は完全に骨になるのですが、成長軟骨のうちは周りの骨に比べて軟らかいため、捻挫の際に損傷することも少なくありません。
一般的に靭帯の修復期間はおおよそ2週間とされていますが、骨端線の場合は3週間厚紙副子で固定してからの+2週間は包帯固定なので、通常の倍近くは直すのに時間がかかってしまいます。
また、正常な位置よりも逸脱してしまった場合は、整復を必要とします。
●足底腱膜炎
ジャンプやランニングなどで、足の裏に外力が繰り返し加わることで、足底腱膜に痛みが出ることがあります。
主に内側縦アーチの部分に疼痛や圧痛が出ます。
また、扁平足やハイアーチといった、足部のアライメント不良の方がなりやすいです。
一般的にオーバーユースを言われていますが、足関節の硬さや股関節の硬さ、下腿三頭筋の柔軟性低下、足趾の関節の硬さからくることが多く、セルフケアを行えば寛解することが多いです。
急激にトレーニングの負荷が上がった時などは、いつも以上にセルフケアを行うことが大切です。
痛みを放っておくと、踵骨棘が出現してしまうので早めの対応が必要になってきます。
●ジョーンズ骨折(第5中足骨骨幹部近位疲労骨折)
ジョーンズ骨折とは、ロバート・ジョーンズ氏がダンス中の介達外力により受傷氏、症例を報告した事から、ジョーンズ骨折と呼ばれています。
カットやターンなどで、足の外側に重心がなんどもかかってしまい、繰り返し外力が加わる事により疲労骨折になってしまいます。
疲労骨折の骨折端の断面積が小さい事から、偽関節になるリスクを伴います。
●下駄骨折
下駄骨折の名前の由来は、昔は、下駄を履いて鼻緒の部分が支点となり、足を捻ると同じ部分が折れることが多かった為とされています。
足関節を捻った際に、ふくらはぎの横を走行する”短腓骨筋”が伸長され、停止部の第5中足骨基部裂離骨折を起こします。
足関節を捻った=捻挫ではなく、こういった骨折が無いかを確認することも大切になってきます。
筋肉の張力もあるので、骨融合期間は6週程度になりますが、保存療法でも治せるケガです。
●有痛性外脛骨
外脛骨とは足の内側にある過剰骨(余分な骨)もしくは種子骨の1つです。
痛みがなければいいのですが、痛みを伴う場合は治療を必要とします。
無痛性が有痛性になる際は、捻挫をきっかけになることが多いです。
有痛性外脛骨は女性に多く、扁平足が発生に関与しています。
外脛骨は3つのタイプに分かれており、Ⅱ型が有痛性になりすいとされています。
●セーバー病
セーバー病とは10歳前後の男の子に多い、骨端症です。骨端症とは、成長軟骨の骨端線に痛みが出現するものです。
セーバー病は踵に痛みが出現するもので、走ったりジャンプをしたりと運動後にストレッチなどのクールダウンを行わず、ふくらはぎの筋肉が硬くなって踵の骨を引っ張ってしまい痛みが出てしまいます。
まずは、ストレッチで筋肉の硬さをとることや、もし立ち方でふくらはぎの筋肉に負担になる立ち方であれば、そこも見直したいくことも必要です。
放っておくと骨が出っ張ってしまうこともありますので、しっかり治した方がいいでしょう。
●アキレス腱断裂
アキレス腱は下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)の停止腱で、断裂した時にはバットで叩かれたような感覚を訴えることが多いです。
主に、ジャンプ時やダッシュ時に起こり、痛みは軽いことも多いが、歩くことはできなくなります。
治療は、手術による観血療法もしくは、固定での保存療法になります。
保存療法の場合は、6週間程は再断裂に注意する必要があるので、腱の癒合状況をしっかりと観察することが大切になってきます。
競技復帰まではおおよそ10か月を要します。
観血療法も保存療法も再発率はそんなに変わらないとされています。
●アキレス腱炎
ランニング種目やジャンプ種目の競技に多いアキレス腱炎もしくはアキレス腱周囲炎。
過度に下腿三頭筋(ふくらはぎ)の筋肉を使いすぎてしまうと、なりやすくなります。
本来であれば、お尻や太ももの筋肉の大きな筋肉を使って運動が行えれば予防できるのですが、エラー動作により下腿三頭筋を優位に使って運動してしまっている場合に起こりやすい為、カラダの使い方を見直すことも必要です。
また、既にアキレス腱炎を繰り返してしまっている方は、アキレス腱自体が脆くなっていたり、瘢痕形成されていたりする為、アキレス腱断裂のリスクが上がります。
早め早めの対応が良いと考えます。